上海っ子も大好き、北京の冬の風物詩
冰糖葫芦(ピンタンフールー)
2004年11月17日
上海もすっかり寒くなりました。街では以前ご紹介した栗屋さんや、焼き芋屋さんがあちこちに見受けられ、季節が変わったことを知らせてくれていますが、今回はやはり寒い季節の名物で、色鮮やかなおやつである「冰糖葫芦(ピンタンフールー)」をご紹介します。
もともとこの「冰糖葫芦」は北京の名物で、サンザシやカイドウの実の串刺しに氷砂糖の飴がけをしたものを言います。その歴史はとても古く、南宋の皇帝、宋光宗・趙惇の時代に遡ります。
ある時、皇帝が最も寵愛していた黄貴妃が病気になり、侍医があらゆる貴重な薬を使って治療を試みるのですが、どれも上手くいかず、何も喉を通らない黄貴妃は日に日に痩せ衰えていきます。全く手の施しようがなく、最後には黄貴妃を治療してくれる医師を求めて公告を出すしかありませんでした。
と、その公告を見たある医師が黄貴妃を診察して言いました。「サンザシの実と氷砂糖を一緒に煮て、それを食前に5つから10食べさせなさい。そうすれば半月もしないうちによくなるでしょう。」
皆、半信半疑ながらもそれを試すしか方法がなく、早速、黄貴妃に差し出してみました。ありがたいことにそれが黄貴妃の口にあい、医師の言う通りに食していったところ、本当に半月経たぬうちにすっかり回復したのでした。もちろん皇帝が喜んだことは言うまでもありません。
後にこれが民間に伝わり、串に刺して売られるようになったのが冰糖葫芦の始まりとなったのでした。サンザシは色も食感も姫りんごに似た小さなまあるい果実で、甘酸っぱいのが特徴です。漢方では消化不良や食欲不振、下痢などの治療に用いられます。またコレステロール値を下げるとも言われています。
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